
当院の治療について
『10年後の口腔内を
見据えた治療』
私どものクリニックでは、まずは患者さまの治療に対するご希望をじっくりとおうかがいします。お口の中をよりよい状態に保つべく、治療内容などを丁寧にご説明して、ご納得いただいてから治療を進めます。
治療によって痛みなどの不快な症状から解放されるだけでなく、10年後の口腔内を想定して、よりよい状態を持続させることを重視した治療をご提供します。
当院の治療の特徴
その治療は、患者さまにとって
本当によい結果をもたらすか
インタビュアー
ミューズ・デンタルクリニックの治療の基本的な考え方を教えてください。
金院長
最近は、歯科医の役割が変わってきています。かつては、むし歯の治療など、単に痛みを取ることが歯医者に通う主な理由でしたが、近年は歯を美しくすることや歯の健康を維持することを目的に通院される方が増えています。
現在だけでなく、将来的にも歯がよい状態にあることを重視しているのでしょう。

わかりやすいのがインプラントの治療です。インプラントとは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法のこと。硬いものが噛めるようになり、ご自身の歯と変わらない使用感を実現できる治療です。
最近は、審美面も含めてインプラントを選択される方も増えていますが、すべての方におすすめするわけではありません。顎の骨が小さい、人工の歯根との相性が悪い、などの理由から治療をおすすめしない場合もあります。
また、かみ合わせなどで日々お口の中の状態は変わるので、短期的にはよくなったように見えても、長期的に維持できない方もいらっしゃいます。
「美しくなりたいのでどうしても治療してほしい」とお願いされることもありますが、その患者さまに施術した場合に、10年後にお口の中のよい状態が保てないと考えられる場合には、お断りして別の治療をすすめすることもあります。
長い目で見て、その患者さまに適している治療を施すことが歯科医の大切な役割なのです。
インタビュアー
歯の治療技術は日々進化していますが、新たな技術を取り入れればよいというわけではないということですね。
金院長
そのとおりです。歯の治療は、技術がますます進化してきていて、歯科医にとっても選べる治療法が増えてきました。ところが、選択肢が増えた反面、「どう治療するか」を決めることが難しくなってきている面もあります。なんでもかんでも、新しい技術で歯を人工的にいじればよい、というわけではありません。
かつて、歯科医として駆け出しのころは、お願いされればたいていの治療は行いました。しかし、どのような治療をするべきか、最初から正しく判断できたわけではありません。治療を終えてから「ここまではやらない方がよかったのでは……」と後悔したこともありました。
そのような失敗も踏まえて、歯科医として20年以上の実績を積んだいま、治療するべきかどうかを見極めることができるようになりました。
未来のビジョンを共有し、治療を一緒に考える
インタビュアー
患者さまとしっかりと話し合うことを大切にしているとのことですが、具体的にどのような点を意識していますか?
金院長
治療計画のベースとなる「カウンセリング」に時間をかけています。当院では、平均30分から1時間ほど時間をかけてカウンセリングを行います。痛みなどの症状があって来院された患者さまには「どのようにしてほしいのか」、予防治療や審美治療を目的として来院された患者さまには「どうなりたいか」というご意向を中心にお話をおうかがいします。

痛みが出ている「部分」だけではなく、お口の「全体」を視野に入れた治療を考えるためにも、CT画像や模型などでお口の中の状況を確認することは大切です。
患者さまのご要望そのままに治療をするのではなく、5年後、10年後の未来のイメージを共有しながら、十分な時間をかけて話し合いを行います。いまできる治療方法の中でも、よりよいものを一緒に選ぶことを重視しています。
インタビュアー
カウンセリングに時間をかけ、CT画像を使って丁寧な説明をされると、患者さまにとってもわかりやすいですね。しかし、そのぶん歯科医院側にとってはコストの負担も大きくなります。ほかの歯科医院でも同じように対応しているのでしょうか?
金院長
「10年後の歯の状態を考える」という前提に立つと、やり方も設備もほかの医院とは異なる点が出てくるでしょう。長期的な目線でお口のトラブルに対処するためには、歯だけでなくお口の全体像を把握しておく必要があるため、CT画像や模型も必要になります。患者さまに説明すべきことも増えるので、そのぶん患者さまお一人お一人にかける時間も増えることになります。
しかし、当院がめざすのは、そのとき発生している問題を解消するための「対症療法」ではなく、「根本的に問題を解決する」ための治療をご提供することです。全体的、長期的な視点から治療内容をご提案することで、患者さまのご自身のお口への理解も深まり、信頼関係が築けるようにもなります。
歯の一生に寄り添う、かかりつけ医に
インタビュアー
信頼関係を築いて、患者さまがいわゆる「常連」になるほど、医師側も最小限のコストで最大のパフォーマンスを生み出せるようになりそうですね。
金院長
そのとおりです。初診では時間をかけて口の中を見たり、ヒアリングしたりしますが、長いお付き合いになるとデータも蓄積され、時間的な経過ののちにどうなるかという先の予測もついてきます。
また、その方のクセもわかるようになるほか、生活習慣や考え方など、いろいろなことが見えてきます。

長いお付き合いができるようになると、患者さまも説明の手間が省けてラクになるほか、歯科医院としての効率化も図れます。しかし、そのようなことよりも長期的な関係が築けることこそが、やはり人としてうれしいものです。
本質的な歯科医のやりがいとは、医師としても、人としても信頼していただき、それに応えるということだと感じます。
インタビュアー
歯医者さんが自分の性格やクセも知りつつ、歯の状況も把握してくれるというのはありがたいですね。美容院や、行きつけのお店などに通うときの気持ちと本質的には同じかもしれませんね。
金院長
確かに「人と人との信頼関係の上で、長期的なお付き合いをする」という点は共通しているのかもしれません。長いお付き合いになると、相手の気持ちもわかりやすくなりますし、気軽になんでも話せる関係になります。
たとえば、「歯の痛み」で来院していた方が、ホワイトニングなど、「きれいになりたい」という審美面での相談をされるケースがあります。一般的に、審美治療はまだまだ心理的な抵抗があったり、ハードルが高いと感じたりする方も多いようです。しかし、「かかりつけ医」として長いお付き合いがあると、患者さまも相談しやすいように感じています。ですから、患者さまとの信頼関係はとても大切ですね。
歯の総合的なカウンセラーとして、相談しやすい関係を築き、一生を通じて患者さまの歯の健康から生活の質を高めていくお手伝いができたらと思います。
健康、美の両面から、前向きに生きることを支えたい
インタビュアー
昨今、医療の進歩により、歯を取り巻く環境も大きく変化しているのではないかと思います。ミューズ・デンタルクリニックの役割がどのように変わると考えていますか?
金院長
むし歯の治療だろうと審美のご相談であろうと、「その方を前向きにする後押し」をしたいと考えています。

しかし、歯の治療が終わり、見た目もきれいになると、それまでの性格が一変したかのようにパッと明るくなった、というできごとがありました。「歯がこれほどまでに人の気持ちを変えるとは……」と驚きましたが、同時にとてもうれしかったですね。
最近では、日本人のデンタルIQ(歯の健康に対する意識)が上がり、「むし歯だらけ」という人はほとんどいなくなりました。そのぶん、歯のホワイトニングなど審美治療の役割はかなり広がっていますし、予防治療も一般的になってきました。
「マイナスをゼロにする」というよりは「マイナスにならないように維持する」ということが歯科医として期待されてくるのだろうと思います。
ミューズ・デンタルクリニックとしても、予防治療や審美治療に軸を移しながら、総合的なサービスを提供していきます。歯の「かかりつけ医」として患者さまとしっかり向き合い、10年、20年と長く頼りにしていただける存在でありたいと考えています。